企画・脚本・総合プロデュース 山浦 弘靖
―妖しい子連れ美女が二階に棲みついた-
母親の介護でこわれた家族の愛が、幻想の宝塚舞台で甦る。
感動のホームファンタジー・ドラマ
2021年12月16日・17日 川崎市アートセンターアルテリオ小劇場にて公演終了
「介護」という言葉が、人生にこれほどかかわってくるとは。
6年近くの家内の介護、今は特養でお世話になっていますが、その前は母の介護でした。戦中戦後の苛烈な時代、夫を支え子供達を必死に育て、やっと一息ついたのも束の間、認知症にかかり幻覚に悩まされ、最後は骨折がもとで痛みに苦しみながら亡くなった。
小柄でやさしい、でも秘めた気性は激しい九州の女でした。
「スミレノハナサクコロ」のシチュエーションは、母の介護で悩まされていた当時の家族と重なります。弟や妹家内に母の介護を押し付け、仕事にかこつけて逃げ回っていた僕。その苦い思いが、詫び状とでもいいましょうか、この作品を書かせてくれたのかも知れません。
芝居の中でスミレノハナを幸せそうに歌う母親は、僕の母の姿でしょうか。せめてもの親孝行といったら、あの世の母から叱られるかも知れません。
この芝居を見ていただいたあと、家族と介護の有り様をお考え頂ければ幸甚です。
山浦弘靖
「二階に知らない子連れ女が棲みついて、昼も夜も歌い踊り騒いでいる。何とかして頂戴!」
老いた母親の悲痛な訴えに、日頃は疎遠になっている長男夫婦、長女と次女が実家に集まった。
母親がいうには同居の次男が勝手に連れ込んだらしい。
しかし、二階の部屋を調べても、子連れ女が住んでいる気配はない。
どうやら母親の認知症による妄想らしい。
この先介護をどうするのか、誰が負担するのか、兄妹達は責任を押し付け合うだけで解決策は見つからない。
そんな或る夜、思いつめた母親は、子連れ女を叩き出そうと怒鳴り込んだ。ところが、二階には…。
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